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アカデミー論8

SWIATEK Iga POL def KENIN Sofia USA [4]
6- 4 6-1 Final
ROLAND-GARROS 2020
10 Oct. 2020
PARIS FRANCE
Photographer / MANO,Hiromasa
MANNYS PHOTOGRAPHY of Tokyo
mannys@mannysjp.com

ちょっと漠然とした話が多かったので今日は皆さんに分かりやすく。
例えば現在四国で行われているオーストラリアンオープンジュニアのワイルドカード選手権。まあ今年は日本国内選手のみで全豪ジュニアの前哨戦、近所のトララルゴンで行われる大会へのワイルドカードとなりましたが、多くの学校テニスの選手も出場し、これで世界へ行ける!、という思いで皆さん頑張っていることでしょう。近年こういった大会多くなりましたね。

では、これで優勝した!、でかい ITFジュニア大会に出た!、そこそこ勝ってポイントを取った!、ITFジュニア世界ランキングに名前が載った!、で、それからどうしようというのでしょうか?…。
そりゃあ漫画のようにトララルゴンにいきなり出て優勝し、ワイルドカードもらって全豪ジュニアも優勝なんてすれば世界が注目して華々しい世界が待っているでしょう。しかし、国内で体験したこともないような体格、スピード、技術、迫力、根性のジュニアがウヨウヨいる世界でどうやって勝ちますかね?。

スポンサー付きの海外遠征もありますが、年に数回ITFジュニアに出て、ポイントを取って、それでどうしようというのでしょうか?。前に書いたように、年間相当数の海外大会に出場し、勝たなければ上のグレードの大会にも出ることができないのがルール。

本来こういったことを書いたり行動したりするのは日本テニス協会の仕事ですが、選手に夢を与えるのであれば、少なくともせめてグランドスラムジニアに出場するくらいの計画で全てを企画するべきであり、このままでは思い出作りで終わり。ポイントをどれだけ取って、年間どれくらいに世界を回って、そして何年後に何位に行けるのかをシュミレーションせずに無責任に「世界を」をいう保護者、コーチ、スポンサーが近年非常に多い。ちょっと前の方が皆さんよく考えていたと思いますが。

もちろん、「足掛かり」としては素晴らしい。しかし、そこからは誰も何もしてくれないところが大問題でしょう。
どうせやるのなら、道筋を示し、お金もスケジュールもどうにかしてやるのが大人の役目です。

もう一つ。分かりやすい例。
ITFジュニアの世界、最近はさっぱり日本選手の活躍が少なくなったのは書きましたが、昔は結構勝つ選手がいましたね。今世界トップで戦っているプロ選手にジュニア時代は勝ってた… なんて話はよくある。

そうなんですよ。日本ジュニア、まあ台湾、韓国なども似ていますかね。非常に真面目に練習し、ミスは徹底的に少なく、メンタル最後まで崩れず、最後の最後まで頑張るこのアジアのジュニアは大型未完成の欧米ジュニアにITFでは勝てるんですね。本当に外国選手、特に男子は皆はちゃめちゃですから。ムゼッティーとか、あまりにアホなことばかりやるからよく覚えてる感じですから。
で、15、16、17、18、、、、とだんだんこれが完成してきて、もう昔戦ったアジアの選手は思い出話するしかなくなるわけですよ。

つまり、目の前の1本と1ポイント、一戦一戦、全力を尽くし、つまりはミスしないテニスをして、固めていくテニスと、その内入るようになるだろうよ… とドンガラガッシャン打ちまくっているジュニア時代を過ごしている連中はあくまで心得が違いすぎる。
前に書きましたが、「お前は1年だから、2年だから、3年だから、」「今度の大会で、」なというきっちりとした指導がある学校テニスは素晴らしいと思います。超集中して緊張して1セットマッチを仲間のために戦う姿も素晴らしいと思います。

しかし、それでさらにごくわずかなチャンスで世界を… というのはロジャー以上のウルトラスーパー天才でもない限り難しい。

最後に超分かりやすい指導理論を。
「お前なんでファーストサーブでエースを狙いにいかないんだ!。入らなくてもセカンドサーブがあるだろう!。」と外国では厳しく怒られることがあります。
しかし、そもそも200kmのサーブなんて打つ練習日本選手はしていませんし、大事な時はゆっくりバックにサーブを打つのが日本指導の掟でしょ。

我々の作るアカデミーは日本国内にありながら日本国内の指導をしないよう、世界トップを目指すテニスができるようにしたいと思っています。
一平のように何年経ってもじぇんじぇん球は入らないかもしれませんけどね。



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