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アカデミー論2 ITFの意義とは?

KAMIJI,Yui(JPN) def OHTANI,Momoko(JPN)
6-2 6-1 Final
ROLAND-GARROS 2020
09 Oct. 2020
PARIS FRANCE
Photographer / MANO,Hiromasa
MANNYS PHOTOGRAPHY of Tokyo
mannys@mannysjp.com

国枝君や上地さんのことはよく紹介していますが、フレンチ決勝に登場した新しい車いすテニスの選手、大谷桃子さんも登場!。素晴らしい。
車いすテニスの歴史は浅いですが、その素晴らしさからグランドスラムにも定着し、新しいテニスのあり方として注目されています。皆さんも見てね。
… 近い未来、体重移動だけで軽快に動く車椅子が発明されれば、物凄いレベルのテニスになることは明白。楽しみですね。

第53回キッズテニスカップ 千葉白子大会も準備順調。急に入った大会でホテル確保が大変でしたが、白子で一番ホテル数を持っているカネイグループが対応してくれることになりましたので安心。
初心者大会もありますし、どんなに人数少なくとも優勝者には白子テニスアカデミー(仮称)の招待クーポンがありますのでお楽しみ。
エントリーお待ちしています。

さて前回の続き。アカデミー論。
もちろん、人の数だけ考え方はありますし、目標はそれぞれ。全国大会やインターハイを目指し、大学に入って企業で頑張ろうとすることも素晴らしく立派なことですし、それはそれで賛同します。
そしてそう考える方々にはこの松島の理論は通用しませんの悪しからず。

まあ正直なところ、僕にはそういった道での指導は向いていないと思うし、能力的にもどうか?。そしてその道であればたくさんの優秀な指導者の方々がいらっしゃるでしょうが、そうでない「こちら」の道は非常に険しく、中々本気でその道を目指す道筋を知る方々も少ないので、僕はこちら側を担当しようとしているわけですね。
… 厳しいっていうのを分かりやすく説明しますと、毎回「誰かが日本一」になり、「成功」と言われるような結果を出せる国内と違い、プロ、いわゆる自分で飯が食えるだけの賞金をもらう世界の選手になる100位以内に入ることなんて、世界中のジュニアが頑張っていることなので確率は1/10000もないわけですよね。どれだけ努力しても。

いよいよ今日の本題、ITF… ?。何度か書いていますが、ITF は国際連合の下部組織で独立運営。もちろん商売もしっかりしながらデビスカップやフェドカップ、車いすテニス、シニア、一般下部大会、などなどの大会の運営や審判団などの統括、普及、などなど様々な活動をしているわけで、ジュニア世界でいうITFというのは、世界中で行われている18歳以下のジュニア大会のこと指します。一般的に。

このITFジュニアは世界中で開催され、開発途上国などにはITFが支援して大会を作ったり、お金持ちの国からは膨大なスポンサー料を取ったりしながら統括し、プロ大会のようにポイントをつけ、ピラミッドを作り、グランドスラムの2週目に行われるジュニア大会を頂点に組織的に構成されています。日本でもグレードの高い大阪スーパージュニアとか、下部大会とか開催中。

じゃあ、国内大会も出て、ITFにも出れば国内も世界も体験できて良いんじゃあないの!?、と簡単にいう人もいます。学校やクラブでも、ITFに出て世界へチャレンジしましょう!、と謳っている場合も多い。
こんな風に「記念」的にITFにチャレンジし、「思い出」として国際大会に出る目的であれば何の問題もないのですが、問題はそんな風な感覚で、一生懸命練習し、全日本、学校で頑張り、時々ITFに出ればグランドスラムに出れる、と勘違いしている方々が圧倒的に多いこと。
そりゃあフェデラーよりもはるかウルトラ天才なら出るITF全て優勝してそうなることは可能かもしれませんが…。

例えば、ITFの頂点であるグランドスラムジュニアに出場できるようになるには、世界のITFランキングの何位に入り、何ポイント必要で、そのためには1年のうちどれだけの試合に出場し、世界中を移動し、どれだけのお金がかかるのか、調べたことがありますか?。
データとして、プロ選手を目指すのなら女子なら少なくとも15歳、男子なら16歳くらいでこのレベルに到達しないと無理ですよね。無論、女子ならセレナ・ウイリアムス、大坂なおみ、ペトラ・クビトバのようにこのITFの道を通らない選手もいますけどね。男子はしっかりITFを目指せば十分でしょうが。

春にはシングルス、ダブルス、団体のインターハイ予選、夏休みは全て試合、秋は新人戦、などなど忙しい学校テニス。1年中ポイントを追いかけて試合が続く日本テニス協会のジュニア大会。いつも皆と同じ、いつも皆と同じ大会を頑張って、どうやってそうなる?… これって意外と皆知らないでいつの間にか旬は終わってしまうんですよ。

国内で勝てないのに海外で勝てるはずがない、これは確かに正解です。しかし、日本で勝てても、世界では全く通用しない選手も多々ですし、国内では勝てなくとも国際大会で勝って自信をつけ、プロになる選手も少数ですがいることは確か。
錦織圭君が日本で全く勝てなかったスーパー強い同級生が世界では全く通用せず、彼が世界のトップへ駆け上ったのも事実ですね。

続く



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