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国、スポーツ

NISHIKORI,Kei(JPN) def LU,Yen-Hsun(TPE)
6-1 6-3 6-4 1st RD
ROLAND GARROS 2011
22 May 2011
Paris FRANCE
Photographer / Hiromasa MANO
(mannys@attglobal.net)

軌道を見つめる輝く視線、独特の低い構え、静かな、しかし熱い情熱を持った若者はそのエネルギーを出し切って世界トップへと駆け上がろうとしていた頃。
そうだよねえ、若い若いと思っていた圭ももう10年以上グランドスラムで戦っているわけで、誠に身勝手ながら我々日本人の夢を現実にしてくれていたわけです。
怪我でプレーできない時こそ皆さんしっかり応援しましょうね。

さてよく思うのがこの「応援」とか、「日本」とか、いわゆる周囲の期待に対すること。オリンピックなどではいつも話題になりますよね。日本を代表しているのに服装がどうのこうの何てこともありました。
はたしてスポーツ選手って自国の国民、あるいはメディア、あるいは協会のために、頑張らなければならないのでしょうか?。

まあ、テニスなどのように非常に収入の多いスポーツならまだ分からんでもない。だって見る、応援する、買う、多くの皆さんが使う間接的なお金がガッポガッポと入ってきますから。
しかし、僕の知るマイナースポーツの選手なんて、必死でアルバイトして稼ぎ、全て自費で遠征し、死ぬほど練習して、やっとオリンピック候補になって僅かばかりの支援金でアルバイト減らして練習し、やっと4年に一回檜舞台に立ってボロクソ言われ、結局練習ホームを外国に移し、ようやくそれなりの成功に近づきつつあるわけで、ほぼ日本国政府、日本人、などからの支援など受けないで頑張っているわけですよ。

何度か書いていますが、アスリート… まあ多分芸術家などもそうなんでしょうが、母国政府などとは疎遠が多い。国籍のある自国のために… とメディアや政府が焚きつけるこのオリンピック前、「日本のために頑張れ」という考え方が全てではないことも知っていてください。メダルメダルと騒ぐのもただメディアのセコい競争意識だけですから。

多分圭だって盛田さんやお世話になった方々のためには頑張るでしょうが、日本テニス協会のために頑張る理由はありませんし、大坂なおみちゃんが「私は私、国籍は関係ない」というのが一番の表現かもしれません。

こういったことを書くといつも熱心に「非国民が!」と匿名で叱ってくださる熱心な教育関係の読者の方がいますが、それで結構。僕は自ら日本国籍を選んだわけでもないし、日本人だから応援する、という意識も全くありません。感動し、応援したいものを応援します。
もしも誰かを指導することになっても国籍は関係ないし、大会も遠征も同じ。差別化することはしません。

ただ、残念ながら、こと「オリンピック」ということになると、これを主宰するのは IOC であり、国際連合の下部組織です。つまり、国際連合の認める国、地域の代表としてエントリーされるので、各国政府機関が絡むのは必定。つまりは国が許可しなければならず、まあそこで国籍問題は大きくなりますが。
ドーピング違反により一部の選手を除きロシアが国ごと締め出されたのは皆さんご存知。

テニスの話に戻ると、今回のオリンピック、もちろん統括は JOC。日本テニス協会ではない。そしてその取材をするメディアもJOC管轄。で、日本で報道機関、というとやはり新聞社ですよね。よって、何といつも世界中のテニスを取材しているカメラマン、ライターにメディアパスが出ない、ということになっており、東京オリンピックのテニス報道などは一種妙な感じになることでしょう。運営も上手にできるといいんですが。

選手の皆さんはどうぞ自分のため、家族のため、自分の生き方を応援してくれるファンのために頑張ってください。

応援したい人はどうぞ力の限り。自分の夢を描いてください。



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