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自慢自虐

前回の続き。実は昨年のスムリクバボウルには大会に参加しない、というかできない選手も多数会場に来ています。うちからも数名。
彼ら、彼らの親やコーチは何しに来ているのか?。
そうですよね、今この時点ではこのトップ選手たちにテニスの力では及ばないかもしれませんが、今後きっと世界の舞台を目指して活躍したい、させたい、と願う方々が勉強しに来ているんですね。
無論、数年後にスムリクバボウルを狙っている家族も来ています。

だってね、実はスムリクバボウルを優勝して世界のトップ選手になったのはティエムたった一人。つまり、この天才たちのレベル、練習を知ることは非常に重要ですが、今この時点で勝つ必要はない、というか、勝てない選手の方が可能性があるかもしれません。スムリクバボウルですぐに負けている方がよほど活躍してます。
… 言っている意味はつまり、「この年齢にしてはテニスが良すぎてミスが多く、勝てない」という意味ですが。

スムリクバボウルにしろ、ターブにしろ、まだまだ未完成の器はどうなるものかわかりません。ただ、全国小学生大会に出ている選手よりかははるかに世界に近いでしょうけど。
「世界」という意味はジュニア大会ではありません。プロ、つまりグランドスラムの一般の部に出場している選手という意味です。

さて、僕は自慢話も自虐話も好きではありませんが、残念ながらなかなか日本では見ないような馬鹿さかげんなコーチにいつ頃からなったのか?。
僕は昔書いたように超下手くそな選手時代にいろいろなプロの選手と練習をする機会がありました。まあさせられたんですけどね。
地元に帰り、ゼロから選手育成を始めたわけですがもちろん数年間は全く地域でも勝てず、九州でも勝てず、よろよろと。が、もちろんこの頃から全日本ジュニアもジャパンオープンも見に行っており、仕事として一時的にコーチを頼まれることもありましたが。
ようやく全国に出て、優勝できるようになり、ゼロから教えて日本代表として14歳以下国別対抗戦ワールドジュニアに出場できるようになった時、しかしまあ既に僕はずっとこの大会を見て勉強していました。山中湖、名古屋、と日本で開催されていたし、ついでにチェコへ移ってからも毎年勉強のために。

ずいぶん昔から縁があってグランドスラムに出場する選手のコーチでヨーロッパへ渡り、様々なことを学び、外国選手、コーチとも深く交流することになり、休みが多いので見事普通のコーチの仕事はクビになり、現在に至る、という感じ。

つまり、全国大会も世界のジュニア大会も、グランドスラムも自分の指導する選手が出る前に全て見て感じて勉強済み。
そんなお金も時間もない、というのが普通の人の考えです。
そしてその「普通」で選手も親もコーチも世界のプロまでいけるはずがありません。普通は普通ですから。

じゃあお金持ちだったら… と思いがちですが、日本で子供のためにインドア作って有名コーチを呼んでやっても、自家用ジェットで世界を飛び回って有名なアカデミーに入り、グランドスラム全て見ても、成功する確率は上がることはないでしょう。

人間一人一人立場や考え方が違うので、こうすれば良い、という一本的なことは言えませんが、少なくとも若手コーチ。ご両親。とにかく夏のヨーロッパ、低年齢の大会を見てしっかり学び、そこへ行けるようにするべきです。
かけがえのない子供ために。



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