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ITFジュニア論

どうせミスるならこれくらいダイナミックにいきましょうね皆さん!…。題目『かかってこいや!』(題目はfacebookなど色々変えてますが、なんでもピッタリくる素晴らしい写真です)
夕日の逆光が効いてます。

さて、スケジュールページをアップデートしました。
毎年恒例のオーストラリアは厳しい状況で今回中止となります。今年は夏のヨーロッパ遠征も参加希望者が多く、しかも、人生でこのタイミングしかいけないような子もいたので、本当に残念です。いつ前のように遠征に行けるようになるんでしょうね。全豪自体も動く可能性もありますので。

4月初旬、毎年山梨で行っている春のキッズテニスカップ、スムリクバボウルのアジアパシフィック予選ですが、これを白子で行うことはお知らせしました。しかし、これも6月のクロアチアで行われる世界大会が開催されるかどうかまだ不明のため、大会は普通に行いますが、世界大会がない… ということになるかもしれません。ご注意ください。ま、2011年生まれ、スムリクバカテゴリー以外の選手には関係ありませんが。
ただ、4月より開設予定の我々のアカデミーのお披露目になりますので、その辺りは超お楽しみに。

2011年1月2、3日のお正月練習会には、すでにお申し込みありがとうございます。少人数ですが宿泊もできますし、人数が揃えば空港送迎もできますので、どうぞ参加してくださいね。
そして、急なお知らせですが、12月中にプロ選手との練習会も企画中。その選手のスケジューリング待ちですが、滅多にないチャンスを活かしましょう。決まればすぐにお知らせしますのでお楽しみに。

さて、ちょうど山梨、愛媛で国際テニス連盟のジュニア大会、通称 ITF ジュニアの大会が開催されていますね。ちょっと遊びに行こうと思いますが、これを例に前に書いたおさらいをしましょう。
まず、ITFジュニアの大会はプロの大会と同じく1週間単位で、つまりは年間52週、世界各地で重なって開催されていますので頑張れば52大会全てに出場できます。実際、調べれば45大会とかに出ている選手もいますので、ほぼ1年中世界中を回ってITFジュニアに出ていることになります。

大会のグレードは5からAの6段階。だんだんもらえるポイントが高くなっていくので、出場を希望する選手も多く、必然的にエントリーデッドラインは高くなり、つまり、プロ大会と同じく勝っていかなければ上の大会には出場できない仕組みになっています。
日本で開催されているのは最低レベルのグレード5。この山梨、愛媛がそうです。そしてここでも何度も取り上げている大阪スーパージュニアの1。ただ、世界から見れば極東の日本に行きたがる選手は少なく、グレード1ながらレベルは非常に低いので日本人にしてみれば大ラッキーな大会となっています。
ま、中東とかアフリカとかでも同じですね。僻地の選手に有利になっています。

じゃあ、どれくらいこのITFジュニアの大会に出場すれば、とりあえずの目標、グランドスラムジュニアに出れるようになるのかというと、まず、上の方のランキングの選手のデータを見ると出場大会は年間20〜45大会。ちなみに望月くんが20、三井くんは34、磯村くんは38、川口夏美が16、(書いたように女子は流石にITFジュニア中心に回っている選手は少ない)、松田さんは41。もちろんこの選手たちが出場するのはグレード1とかAとか。日本近辺、アジアなどではあまりありませんから世界中を回ります。
まずここで大きな問題。もちろん学校などまともに行けないことは明白ですが、その資金は誰が出してくれるんでしょうか?。大金持ちの選手しか無理なんでしょうか?。
まずこの問題を解決しなければならないし、色々な支援をしているように見える企業はここまでやらなければ「なんちゃっての夢」を中途半端に見させるだけになりますよね。スポンサーも誰かにお金払わずにジュニアの遠征にお金を使うべきです。

そしてさらに大きな問題。どれだけ勝てばグランドスラムジュニアに出れるのか?。これは単純な計算ですからわかりやすいですが、世界中回って稼いだポイントの上位5、6大会の合計が自分のポイントになり(しょっちゅうルールは変わるので要確認)、今の上位で言えばグランドスラムジュニアに出場するには最低500ポイント必要。今行われているグレード5くらいでは優勝しても20ポイントくらいですから、5回出て全てに完全優勝して上に上がり、勝ち続ければ可能性があるかも… というレベル。しかし、レベルの低い地域で取ったポイントで出場しても、いざ本番では到底通用しないという悲しい結末が。これはプロでも同じ。
つまり、たとえお金があって世界を回っても、勝てなければグランドスラムジュニアまで到達できないし、田舎で出まくってポイントを稼いでも、上の大会では勝てない、という現実があるということ。

さらに最後のトドメ。ある日本ジュニアトップ選手、インターハイも全日本も優勝、プロになったはいいが…。ま、19歳で初めて200キロのサーブボコボコに打たれ、ものすごいストロークバコバコに打たれ、えげつない根性で精神的に圧倒され、とてもではないが世界のプロでは生きていけなかったわけで、そういったことを想定した練習を日々行い、若年齢から世界のテニスに馴染ませ、全く違う次元の感覚を養うことが必要であることは間違いないことでしょう。

今行われている大会は日本のジュニアの皆さんが、世界への入り口として戦っているとは思いますが、単純に上に書いたような多様な意味を理解していないと、単にちょっと変わった全日本ジュニアに出ているだけになってしまいますね。

 



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